扉と引き出し前板が15〜20枚ある一般的なキッチンなら、扉の塗装にかかるのは4〜5日、材料費は約€150〜€400です。塗ること自体は簡単な部分。仕上がりが10年もつか、10週間で欠けるかを決めるのは、脱脂、足付けのやすりがけ、そして下地の素材に合わせて選んだプライマーです。
まず確認:その扉は塗れる?
| 素材 | 塗れる? | プライマー |
|---|---|---|
| 無垢材・突き板 | はい | オークやパインはアクが出るので、アク止めプライマー(シェラックかアルキド) |
| 塗装済みのMDF | はい | 一般的な水性の密着プライマー |
| メラミン・化粧板 | はい(要注意) | 化粧板用の密着プライマー、または2液型プライマー |
| 熱成形シート(塩ビラッピング) | ほぼ不可 | はがれや浮きのあるシートはまた浮きます。扉ごと交換を |
| 高光沢アクリル | ほぼ不可 | 光沢層を研ぎ落とす必要があり、扉交換のほうが安いことが多い |
縁のシートが浮いている、シンクまわりの扉が水で膨らんでいる、という場合は塗装では直りません。既存の本体はそのままに扉だけ交換すると、中くらいのキッチンで€1,500〜€5,000。それでも新しいキャビネットのごく一部の費用です。
必要なもの
- 脱脂剤(セスキ系クリーナーや専用のキャビネットクリーナー)と、けばの出ない布
- 研磨パッドまたは紙やすり(120番と180〜240番)
- 素材に合ったプライマー:扉15〜20枚で約1リットル、€25〜€50
- 家具用エナメル(水性アルキドかウレタンアクリル):2回塗りで2リットル、€60〜€160
- 10 cmのスポンジまたはマイクロファイバーのローラー、5 cmの斜め刷毛(合成毛)
- パテ、マスキングテープ、ドリル、蝶番を入れるラベル付きの袋
合計の予算は€150〜€400ほど。お金をかけるべきは塗料です。安い壁用塗料をキャビネットに塗ると、いつまでも柔らかくべたつき、手が触れた跡が残ります。
手順
- 中身を出し、印をつけ、取り外す。 扉、引き出し前板、蝶番、取っ手を外します。蝶番の穴の内側にテープを貼って扉と開口部に同じ番号を書いておけば、すべて元の位置に戻せます。
- しっかり脱脂する。 塗装がはがれる最大の原因はキッチンの油汚れです。すべての面を脱脂剤で2回洗い、きれいな水で拭き取って完全に乾かします。
- 穴を埋めて足付けする。 取っ手を替えるなら、へこみや古い取っ手の穴をパテで埋めます。全体を180〜240番で足付けします。塗膜をはがすのではなく、つやを消すだけです。掃除機で粉を吸い、拭き取ります。
- プライマーを塗る。 素材に合ったプライマーを薄く1回。缶に書かれた重ね塗り時間をきちんと待ち、240番で軽く研ぎます。
- 先に本体の枠を塗る。 縁や溝を刷毛で塗り、平らな面はローラーで一方向に転がします。扉は台の上に寝かせて塗ると、垂れずに平らにならされます。
- 厚塗り1回ではなく薄塗り2回。 塗り重ねの間は16〜24時間あけます。厚塗りは垂れ、柔らかいまま残り、硬化に何週間も余計にかかります。
- 48時間後に取り付ける。 塗膜が硬化するまでの2〜4週間、塗装面同士がくっつかないよう、扉にクッションバンパーを貼っておきましょう。
費用:DIY、塗装業者、スプレー工房
| 方法 | 費用の目安(前板15〜20枚) | 仕上がり | キッチンが使えない期間 |
|---|---|---|---|
| DIY(刷毛とローラー) | €150〜€400 | 良い。ローラー目がわずかに残る | 4〜5日 |
| 塗装業者(現場塗装) | €900〜€1,800 | とても良い | 3〜4日 |
| 工房で扉をスプレー塗装 | €1,200〜€3,500 | 工場仕上げに近い | 現場では1〜2日 |
| 既存の本体に新しい扉 | €1,500〜€5,000 | 新品 | 取り付け1日 |
同じキッチンでキャビネットを新調すると、通常€6,000からです。自分でやるかスプレー塗装にお金を払うかで迷うなら、DIYと業者依頼の比較で、浮いた時間がお金に見合うのはどんなときかを整理しています。壁も一緒に塗るなら、壁の塗装費用でキャビネット塗装と並べて予算を見積もれます。
塗装がはがれる原因になるミス
- 扉が「きれいに見える」からと脱脂を省く。きれいではありません。
- 扉に壁用塗料。 1日に50回触る面に必要な硬さまで、決して固まりません。
- オークにアク止めプライマーを使わない。 数週間で白い塗料の上にタンニンが黄色く浮き出ます。
- 取り付けが早すぎる。 柔らかい塗膜のまま閉めた扉はくっつき、開けたときに塗膜ごとはがれます。
- 蝶番やスライドレールまで塗る。 スムーズに閉まらなくなります。マスキングするか外しましょう。
色の選び方
色見本帳ではなく、残す床と天板に合わせて選びましょう。キッチンの扉の色の選び方では、年月を経ても古びない色と、ツートンのルール(濃い色は下段に、扉面積の40%まで)を解説しています。同じ白がタイルの横でグレーにも黄色にも見える理由は、アンダートーンで選ぶ塗料の色でわかります。賃貸なら、まず大家さんに確認を。賃貸でもできる模様替えに、粘着シートや取っ手交換など元に戻せる代替案をまとめています。
扉の塗装は、リフォームなしのキッチンの模様替えの中でいちばん大きな変化です。色が決まれば、取っ手、キッチンパネル、照明は自然とそれに合わせて決まっていきます。
まず自分のキッチンで色を見る
週末2回分の作業のあとで、選んだグリーンが床と合わずに濁って見えるとわかったら大変です。入口から両側のキャビネットが入るように写真を撮り、HomieのRoom Redesignで実際のキッチンに2〜3色を試してみましょう。AIでキッチンをデザインする方法では、レイアウトはそのままでキャビネットの色だけを変えるプロンプトを紹介しています。