狭い部屋のレイアウトのアドバイスは、たいてい鏡やストライプなど、写真で部屋を広く見せるテクニックに偏りがちです。でもそれで実際に暮らしやすくなるわけではありません。本当に効くのは、家具のサイズ感と明確なゾーン分けです。
何かを買う前に通路幅を測る
狭い部屋でいちばんスペースを無駄にしているのは、壁にはぎりぎり収まっても周囲を動くすき間がほとんどない家具です。大切なルールは、どの家具の横にも最低75〜90 cmの通路を確保すること。玄関からキッチン、玄関から洗面所のような主な動線なら90 cm近くほしいところです。横をすり抜けるすき間が50 cmしかないソファは、色や照明に関係なく、部屋を実際の広さより狭く感じさせます。通路を確保できるソファの配置は狭いリビングのレイアウトで紹介しています。
測るのは買う前です。家具の設置面積をマスキングテープで床に貼り、毎日の動きと同じように歩いてみましょう。5分でできるこのテストで、狭い部屋でいちばん多い失敗を防げます。
狭い部屋のレイアウトは壁を使わずにゾーン分け
ワンルームや1部屋だけの住まいは、物理的な壁がなくても視覚的なゾーン分けが必要です。そうしないと、機能ごとに分かれた住まいではなく、区別のないひとつの空間に見えてしまいます(ワンルームのレイアウトでは3つの実際の間取りで解説しています)。使う道具は次のとおりです。
- ラグで、くつろぐゾーン、食事のゾーン、寝るゾーンを区切ります。オープンな間取りの中にダイニングスペースをつくるときと同じ考え方です。
- 照明は夜に同じ役目を果たします。くつろぐゾーンにはフロアランプ、食事にはペンダントライト、寝る場所にはベッドサイドランプ。それぞれを別々に点けられるようにします。
- 壁に対して直角に置いた家具、たとえば低い本棚やコンソールは、壁のように光や視線をさえぎることなく、やわらかな仕切りになります。
ひとつで二役こなす家具
50 m²未満では、一つの機能しか持たない家具はぜいたく品です。収納付きスツール、引き出し付きベッド、デスクを兼ねるダイニングテーブル、来客時に伸ばせるコンソール。どれも家具をもう1点置く必要自体をなくしてくれます。それは、どんな「省スペースグッズ」ひとつで稼げる面積よりも価値があることが多いのです。
費用の目安
| 変更内容 | 価格帯 |
|---|---|
| 多機能家具(収納ベッド、収納スツール) | €300〜€1,200 |
| ゾーン分け用のラグ(2〜3枚) | €150〜€500 |
| 壁付け・フローティングシェルフ | €80〜€300 |
| 塗り替え(ワンルーム全体、約40 m²) | DIYで€300〜€600 |
| 間仕切り(自立式シェルフ) | €100〜€400 |
実例
32 m²のワンルーム。ベッド、小さなダイニングテーブル、ソファがそれぞれ別の壁に押しつけられていて区切りがなく、片側には細長いキッチンが並んでいます。
ベッドは玄関からいちばん遠い角に移し、下にラグを敷いて、壁がなくても独立した寝るゾーンとして示します。低い本棚を壁にぴったり付けず直角に置き、寝るゾーンとくつろぐエリアのあいだに、窓の光をさえぎらないやわらかな視覚的区切りをつくります。通路の大半をふさいでいた大きなカウチソファは、小ぶりの2人掛けソファと、ふたを開けると収納になるコンパクトなスツールに替え、床がおよそ1 m分空きました。2人用の小さなダイニングテーブルはキッチンの近くに置き、リビングのフロアランプとは別のスイッチのペンダントライトを吊るします。
総額はおよそ€900で、大半は新しいソファとスツールの費用です。ここでの変更はすべて元に戻せるので、賃貸でも問題ありません。敷金を失わずにできることは賃貸DIYと原状回復で解説しています。ひとつのオープンな部屋に3つの読み取りやすいゾーンができ、玄関からどのゾーンにもまっすぐ歩ける通路が確保されました。
自分の部屋で試す
部屋の中でいちばん広く見渡せる角から、できるだけ間取り全体が写るように写真を撮り、Homieのルームリデザインで家具のサイズ感とゾーン分けを、何か買う前に試してみてください。初めて狭い部屋に引っ越すなら、引っ越しのやることリストが、入らない家具を買ってしまわないための準備の順番をまとめています。部屋全体の模様替えを限られた予算でやるなら、部屋の模様替えを安く済ませる方法も役立ちます。