アクセントクロス(アクセントウォール)がうまくいくのは、部屋の主役の背後にあり、壁の端から端まで途切れず、残り3面より濃いか質感がある場合です。失敗するのは「たまたま空いていた壁だから」という理由で選んだとき。実例を見比べると、意図して見えるアクセントクロスと「塗料が足りなくなったのかな」と見えるものの違いは、ほぼこの一点に尽きます。
壁の上ではなく、壁の前にあるもので選ぶ
アクセントウォールは背景です。だから問うべきは「どの壁が退屈か」ではなく「見てほしいものがあるのはどの壁か」です。
- 寝室: ほぼ例外なくヘッドボード側の壁。ベッドの後ろを濃い色や質感のある壁にすると、ベッドが大きく、天井が高く見えます。強い色を使う寝室の配色のほとんどにこの手法が登場するのはそのためです。
- リビング: テレビや暖炉がある場合はソファの正面の壁、ソファ自体が主役ならソファの後ろの壁。両方は選びません。
- ダイニング: 入口から見える、テーブルの長辺の背後の壁。
- 廊下・玄関: 視線の突き当たりの壁。ここだけは薄い色のアクセントも成立します。視線を廊下の奥へ引っ張ってくれるからです。
ドアがある壁、壁の3分の1以上をヒーターがふさいでいる壁、窓が2つある壁は除外します。塗装は枠で止まり、途切れるたびに目は形を見失います。壁の中央に窓が1つなら問題ありません。構図の一部になります。
また、座る位置から正面に見える壁であることも大切です。ソファから20°の角度でしか見えない壁では、費用だけかかって効果はありません。
失敗しない色
今の壁の色を基準に、同じ色見本で3〜5段階濃くするか、同じ深さの別の色を選びます。アクセントクロスの色で起きがちな失敗は2つあり、どちらも避けられます。
1つ目は鮮やかすぎること。コバルト、エメラルド、真っ赤のような彩度の高いアクセントは、午後3時の写真では映えても、夜9時に暖色の電球の下で見ると学校の廊下のようになります。同じ色でもくすんだ版(インクのようなネイビー、ボトルグリーン、オックスブラッド)なら昼も夜も持ちこたえます。
2つ目は、残り3面の色のアンダートーンを無視すること。温かみのあるクリーム色の壁に青みのグレーグリーンを合わせると濁って見え、同じグリーンでも青みのオフホワイトと合わせると上質に見えます。アンダートーンで塗料を選ぶ方法は10分で済み、壁を2回塗り直す人が飛ばしている工程です。
アクセントクロス1面に向く色を、無難なものから大胆なものへ:
- 深みのある暖色系ニュートラル — マッシュルーム、クレイ、タバコ色。ほぼどんな家具にも合います。
- インクネイビーやチャコール — ベッドや明るい色のソファの後ろに。暖色の光源が必要です。
- グレー寄りの濃いグリーン — オリーブ、フォレスト。木と真鍮に最もよく合います。
- テラコッタやラスト — ダイニングテーブルの後ろや、北向きの部屋のソファの後ろに。
- プラスターピンクやオーカー — 日光が十分に入り、枠が白い場合に限ります。
決める前に色を試しましょう。実際の壁に50 × 50 cmのサンプルを塗って朝と夜に見るか、部屋の写真をHomieのRoom Redesignにかけて壁の色を変えてみるか。後者なら1缶€5のサンプル塗料を3缶買うより早く済みます。
塗装・パネル・壁紙の比較
| 方法 | 材料費(3 × 2.5 mの壁) | 時間 | 元に戻せるか | 向いている場所 |
|---|---|---|---|---|
| フラットな塗装 | €25〜€60 | 2回塗りで3〜4時間 | 可、塗り直し | どの部屋でも、初挑戦に |
| ライムウォッシュ・左官調塗料 | €60〜€140 | 4〜6時間 | 塗り直し可、下塗りが必要 | 寝室、廊下 |
| 貼って剥がせる壁紙 | €60〜€200 | 2〜3時間 | 可、きれいに剥がせる | 賃貸、子ども部屋 |
| 壁にのりを塗るタイプの壁紙 | €80〜€350 | 3〜5時間 | 剥がせるがムラが残る | ダイニング、寝室 |
| MDFのスラットパネル | €150〜€450 | 1日+塗装 | 不可、穴が残る | ベッドの後ろ、テレビ壁 |
| シェーカー調・ボード&バテン | €120〜€300 | 1日+コーキングと塗装 | 不可 | ダイニング、玄関 |
| 業者施工のパネル | €400〜€1,200 | 業者なら半日 | 不可 | 完璧に仕上げたいとき |
ほとんどの部屋では、まず塗装が正解です。アイデアを試すいちばん安い方法で、壁の選択を間違えても€40で学べます。壁紙は塗装にはない柄や質感を加えられますが、柄のある壁の前にはシンプルな家具が必要です。パネルは壁の表面ではなく凹凸そのものを変える唯一の方法で、「飾った」ではなく「造り付け」に見えます。売却時に価値を保ちやすいのもそのためで、売主向けのホームステージングでも壁紙よりパネルが好まれがちです。
部屋全体の塗り替えの一部なら、室内塗装の費用ガイドで業者価格とDIYを部屋ごとに比較できます。
塗装以外で本当に使える素材
- 縦スラット(幅20〜40 mm、間隔15〜30 mm)を塗装した下地板に。ベッドの後ろに床から天井まで。スラットと下地は同じ色に塗りましょう。ツートーンのスラット壁はすぐに古く見えます。
- 腰壁パネルを高さ90〜110 cmに。下を濃く、上を明るく。アクセントウォールが形を崩さずに2面にまたがれる唯一のパターンです。
- モールテックスや左官仕上げを浴室や玄関に。施工費込みで1 m²あたり€80〜€200なので、小さな壁向けの素材です。
- 壁と同じ色に塗った天井までの本棚。 収納がそのままアクセントウォールになるのは、狭いリビングではどちらか一方だけよりずっと有効で、正方形の部屋向けに狭いリビングのレイアウトガイドが頼りにしている技でもあります。
ミラータイル、レンガ調壁紙、壁一面のメタリックは避けましょう。ただのギラつきになります。
アクセントクロスが失敗になるケース
次のような部屋では、アクセントウォールはやめておきましょう。かえって悪くなります。
- 9 m²未満の部屋で、短い辺の壁をアクセントにする場合。 濃い短辺の壁は手前に迫り、部屋が箱のようになります。代わりに4面すべてを濃い色に。小さな部屋を1色の濃い色で包むと宝石箱のように見え、1面だけ濃いと押し入れのように見えます。
- すでに強い建築的特徴がある部屋。 暖炉、アーチ窓、むき出しの梁。アクセントウォールがそれと張り合い、どちらも負けます。
- 明確な主役の壁がない部屋。 ドアが3つ、角に窓、L字型。5秒で壁を指せないなら、アクセントウォールにできる壁はありません。
- 「壁」が半分しかないオープンな空間。 キッチンの袖壁で止まる色のブロックは未完成に見えます。ラグと照明でゾーン分けしましょう。
- それが唯一のデザイン判断である場合。 同じ家具を同じ場所に置いたままのアクセントウォールは、ただの色付きの壁です。レイアウト、照明、大きなファブリック1点など、3〜4つの手のうちの1つなら効きますが、それだけだと計画のすべてに見えてしまいます。5ステップの部屋リデザイン法が、それらの手を打つ順番です。
実例
3.4 × 3.8 mの寝室。壁はオフホワイト、ベッドはドアの向かいの3.4 mの壁に置かれ、その右側に窓があります。窓が中心からずれているため、ヘッドボード側の壁はきれいな長方形ではありません。
答えは、3.4 mの幅いっぱいに高さ110 cmの腰壁スラットパネルを張り、深いオリーブに塗って、上はオフホワイトのまま残すこと。パネルは窓の抱きで止まりますが、水平のラインが通っているので意図的に見えます。その上に、ベッドの中心に合わせて80 × 100 cmのアートを1枚。ベッドサイドのランプには2700 Kの暖色電球を入れ、夜もオリーブが緑に見えるようにします。材料費はMDFのスラットと下地板で€190、塗料が€45、土曜日1日。ベッドもカーテンも床も変えていないのに、部屋には「正面」ができました。